雲辺寺に行く前に、切山にある『生き木地蔵』は、ぜひ拝見しておきたいものです。
1979年(昭和54年)に讃岐の仏師・凡海(ぼんかい)氏が彫ったものです。
今、生きている鹿子(かご)の木に彫られています。
その息吹を感じてか、生き木地蔵を見学したスペインの町長が「私たちの町にも彫ってほしい」と熱望します。
依頼を受けて凡海氏は、2014年、世界遺産のサンディエゴ・デ・コンポステーラ巡礼路に立つ生きたクルミの木に、観音像を彫りました。
初代生き木地蔵が、堂の中に保存されています。こちらは今まさに朽ち果てようとしています。
ようやく雲辺寺のロープウェイにやってきました。太龍寺ロープウェイと同じ、四国ケーブル株式会社運営。
ゴンドラの中では、若いお姉さんの生ガイドが聞こえてきます。
「降水量の少ないここ香川県には、約14000余りのため池があります」
「この雲辺寺は、八十八ヶ所中最も高い所に位置し四国高野とよばれています」
お姉さんの生ガイドに合わせて、山頂をまぶし気に見上げる、白装束のおじいさんお遍路3人組がいました。
「雲辺寺で有名な『おたのみなす』は、腰をかれば願いが叶うといわれているんですよ」
その時、白装束のおじいさんがボソっと「おたのみナース…」とつぶやいたのを、私だけは聞き逃しませんでした。
ロープウェイを降りると、奇抜なモニュメント風の椅子が目に飛び込んできます。女子は座り難そうです。
香川県と徳島県の県境にあります。境内は徳島県で、住所も徳島県ですが、香川県の札所です。
いきなり等身大の五百羅漢が全力で迎えてくれます。
五百羅漢といえば、人間味あふれる表情が見所なのです。
定食屋を出てきたばかりといった感じ。
生意気そうです。
こんな顔して詰め寄られると困りますね。
生き物を可愛がっている像が多いですが、ロクな生き物がいません。
何かがこちらを見つめています。
普通におじいさんが孫を抱いているアルバム写真のようですが、ヤバそうな生き物を抱いています。
山号の巨鼇山(きょごうざん)は巨大な亀を意味します。
大きな亀の上に仙人が乗って海を見渡しています。
仁王門は2011年に完成したばかり。
仁王門の前は大きな広場になっています。ここで毎年1月に有名人を招いて行われる餅投げが有名です。
今年の1月、餅投げに行ってみました。この広場が大勢の人で埋め尽くされています。
今年のゲストはIMARUさんでした。トークした後に、大量の餅投げが開始されます。
結果、さっぱり取れませんでしたが、今度行けばそこそこ獲れる自信があります。
餅が飛んでくる場所に傾向があるように思えます。
餅に『雲辺寺』の札があれば景品がもらえます。200以上の景品があるようで、1等はテレビです。
友人は3つも当てて、独身男性には用のない台所用品をゲットしてました。
餅と景品目当てで、大勢の民衆がやって来て、大いに盛り上がる雲辺寺。
その昔、長宗我部元親が雲辺寺にやって来て、眼下の山河を見下ろし、四国制覇の野望を抱きます。
長宗我部元親は、当時の住職の反対意見を聞き入れず、戦乱を起こしました。
餅が飛び交う雲辺寺は、多くの四国の寺院が焼き討ちに遭うスタート地点でした。
『帰る時 来た時よりも 美しく』と書かれた看板をたくさん見ました。雲辺寺の標語かと思うほど。大切なことです。
毘沙門天展望館が近くにあります。ロープウェイの時間待ちの間に、見学していく方もいます。
八十八ヶ所の各寺の絵画を見ながら、螺旋階段を昇ります。
展望台からは石鎚山や剣山、そして最後の雪を楽しむスキー客の姿が見えます。
一切の悩みやしがらみから脱した境地を示す『涅槃』の道場である香川県。四国遍路もラストスパートです。
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